最近、読売新聞などで「シェルターから犬を迎えた中年層が、生活に活力を取り戻している」というニュースが紹介されました。
子どもが独立したあとや、仕事の区切りを迎えたあとに、保護犬を新しい家族として迎えた人たちが、「毎日が楽しみになった」と話しているそうです。
朝の散歩、季節の移ろいを感じる時間、誰かに見守られているような安心感。
犬たちの存在が、暮らしを再びあたたかく照らし出している、そんなエピソードが多く聞かれます。
動物愛護ラボはるうららでは、日々「動物を守る」ことを目的に活動しています。
でも実際にたくさんの飼い主さんや里親さんとお話しする中で、私たちが強く感じるのは、
「動物が人を支えてくれている」というもうひとつの真実です。
保護された犬たちは、過去に傷ついたり、人に裏切られたりした経験をもつ子も少なくありません。
そんな子が、誰かの笑顔のきっかけになり、生活のリズムを整え、孤独を癒す存在になる。
そこには、“命をつなぐ”という言葉では言い尽くせない、深い絆が生まれています。
「中年になって犬を迎えるなんて大変じゃない?」とよく聞かれます。
でも私たちはむしろ、“いま”だからこそ向き合えるやさしさがあると思っています。
仕事や子育てで忙しかった時間を経て、ようやく自分と向き合える年齢。
経験や思いやりが増えた世代だからこそ、保護犬たちに穏やかで安定した愛情を注げるのではないでしょうか。
はるうららでは、そんな新しい形の出会いをもっと増やしていきたいと考えています。
犬が「第二の家族」を見つけ、人が「第二の人生」に彩りを見出す。
それが、私たちが目指す“やさしい循環”です。
命を救うことは、同時に「誰かの心を救うこと」でもあります。
もし、あなたの生活に少し空いた時間や、あたたかい場所があるなら、
その隣に小さな命を迎えてみてください。
あなたが犬を幸せにするのではなく、
犬があなたを幸せにしてくれる。
そんな奇跡が、きっとどこかで待っています。


